中田喜直の歌碑
井の頭公園の歴史(41)弁天橋の南、遊歩道沿いにアップライト・ピアノを模した黒い歌碑があります。歌碑に刻まれているのは、中田喜直(1923(大正12)年8月1日~2000(平成12)年5月3日)が作曲した「ちいさい秋みつけた」の直筆譜。中田喜直は「めだかの学校」「夏の思い出」「雪の降る町を」など、今日まで歌い継がれる数々の名曲を残した日本を代表する作曲家です。
昭和20年代前半、三鷹市に居を構え、四季の美しい武蔵野の自然を愛し、井の頭恩賜公園を散歩しているときに生まれたのが「ちいさい秋みつけた」のメロディーです。なお、中田喜直の実父は、「早春賦」を作曲した中田章(1886(明治19)年7月8日)~1931(昭和6)年11月27日)。つまり、親子二代に亘って、「早春賦」「夏の思い出」「ちいさい秋みつけた」「雪の降る町を」と、日本を代表する四季の歌を作曲しました。
実父の中田章が45才の若さで、結核で亡くなったことから、中田喜直は熱心な嫌煙運動家としても知られています。また、自身の手が小さく通常スケールのピアノを弾くことに苦労したことから、ピアノを習う子供たちや手の小さな人向けの細幅鍵盤のピアノの普及に尽力しました。井の頭恩賜公園にある歌碑は、中田喜直の生誕90周年を記念して一般に寄付を募り、2013(平成25)年11月に三鷹市が建立したものです。
Posted by あか井の
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